
玄武岩などの天然素材に由来する繊維材は、一般的に環境負荷が小さく、未来を担う材料として期待されています。そのような繊維材をコンクリート構造物に接着・補強することで、構造物の長寿命化を図る技術の開発を進めています。
繊維材接着による補強効果の長期持続性を検証する実験の様子
繊維材や接着材の耐候性を検証する実験の様子
水とセメントが反応する時に発生する水和熱。その際の発熱によるコンクリート構造物の劣化を防止するために、コンクリート内部の熱移動を予測し、その冷却効果を高める研究をしています。
開通前の自動車道路(名二環)
水和熱発生シミュレーション
山地河川の洪水時には、流れの中に含まれている石や砂により、コンクリート構造物が損傷を受ける可能性があります。そこで、従来のコンクリートに比して非常に高い耐摩耗性を持つ材料を見つける研究を実施。実用化に向けて河川での耐久実験も行っています。
耐摩耗性材料の実河川落差工における現場耐久試験
耐摩耗性材料の鉄球衝突基礎実験
阪神大震災以降、従来の擁壁構造物に変わり、土の中に金属や樹脂の補強材を入れた補強土壁構造物が急速に普及しました。これは、東日本大震災でもその高い耐震性が実証されました。本学科では、企業との共同研究により新しい補強メカニズムを用いた高機能補強土壁の開発研究を行っています。現在は、現地発生の粘性土をセメント改良し、補強土壁構造物を構築に有効利用するための研究も実施しています。
実用化された高機能補強土壁構造物
セメント改良した粘性土の力学試験
トンネル掘削時に発生する地盤沈下の原因と、沈下対策として採用されている様々な補助工法のメカニズムを解明するため、模型実験と数値解析を行っています。
トンネルの掘削過程を再現する模型実験の様子
数値解析の様子とトンネル掘削を模擬した計算例験
造りたてのコンクリートの強さを把握するために、練り混ぜ1~2日後のコンクリートに対して圧縮試験、引張強さを測定しています。
コンクリートの引張強さ測定:測定前
測定後(中央部にひび割れが生じている)