本文へスキップ

都市計画系

研究内容

研究に対する考え方

 都市や交通のような複雑な社会問題のアプローチ方法として、複雑な問題を抽象化し、本質的な部分を抽出する理論的思考と、実践の取り組みの中から解決のヒントを見出す実践的思考が挙げられます。困難な社会問題に対処するためには、どちらか一方だけではなく、両者を相互に行き来する努力が必要だと考えています。そして、その両者を繋ぐ架け橋として、コミュニケーション力を高めることも重要です。
 以上のような認識のもと、本研究室では、持続可能な都市や地域の実現を目指し、分析・評価を通じて、望ましい解決策を提案します。また、望ましい解決策を導くための計画プロセスや市民参画手法に関する研究も行っています。 

研究内容の紹介

 将来の世帯分布や都市構造を予測するシミュレーションモデル開発
 本研究室では、持続可能な都市の計画検討に役立てるため、将来の人口分布や世帯構造変化を予測できる世帯マイクロシミュレーション(以下、HUMS)というシミュレーションモデルの開発を行っています。HUMSは、都市居住者一人一人のライフイベント(加齢、死亡、進学・就職、結婚、出生、転居等)の発生や居住地選択を実データから得られた確率を用いて計算し、将来の都市構造変化と政策の効果を分析できるツールです。
図:HUMSの基本構造を示しています。1年ごとの個人・世帯属性変化や転居世帯の新たな住宅タイプや居住地が計算できます。

HUMSで計算した世帯分布の一例。2つ上が現在、上が10年後の世帯分布を表しています。
 地理情報システム(GIS)を用いた住みやすい都市空間のデザイン
 住みやすい都市空間を実現するために、駅や商業施設までの行きやすさを数値化するアクセシビリティ評価や、携帯電話の位置情報等のビッグデータを用い、交通ネットワーク整備と人口流動に関する研究を行っています。地理情報システム(GIS)と呼ばれるソフトや3Dデザインを構築できるソフト等を使いながら、コンピューター上で都市空間を構成し、行政機関等と連携しながら、老朽化した居住地の再生や交通利便性の改善に取り組んでいます。

図:携帯電話位置情報を利用した愛知県の休日14時の人口分布。

図:3D都市モデルで再現した住宅団地。団地再生に向けた居住地デザインの提案に活かしています。

otoiawase.htmlへのリンク