研究紹介
岩盤中の割れ目形成や風化・崩壊に関わる研究
山地は岩石で形成されます.岩石の風化現象は物理的・化学的・生物的風化に分類され,物理的風化は岩石が割れる現象(割れ目形成)を示します.さらに岩石の化学的風化は割れ目から進展することが多く,物理的風化と化学的風化を経て,岩石や岩盤は土に変化し,その変化による斜面のゆるみで,地すべりが発生すると考えられます.
地すべりによる過去の災害や,地すべり地形の危険度評価を,地理情報システムなどを利用して研究や解析しています.
写真上: 遠江地震で発生した池口すべりによる埋没ひのき.右奥に崩壊源である日陰山の山頂がみえる.
写真下: 安倍川の支流の大谷川源流域の大谷崩れ.同様な地層が大規模崩壊を起こしている.
河川流域の土砂動態に関わる研究
山地の岩盤が風化で緩んで崩壊すると土砂となり,この土砂は河川流域を流下しながら移送・堆積を繰り返していずれ河口に到ります.
移送の過程では,摩耗破壊作用や選択的運搬作用が働くと考えられています.山地に分布する岩相の違いによるこれら作用の違いを判別し,河川管理に役立てることを目標としています.
写真上: 大井川の支流の榛原川源流域のホーキ薙.褶曲した地層の層理面に垂直に節理が発達している.
写真下: 大井川支川での線格子法調査の様子.1m毎の礫のサイズと岩種を記録します.
歴史的構造物の保全・修復に関わる研究
歴史的な土木および建築構造物に利用されている版築や日干し煉瓦といった土構造物,ならびに砂岩・安山岩・花崗岩などの石材,さらに東海地方に多数現存する「人造石」の物理的特性や風化・崩壊メカニズムの解明に取り組んでいます.
ユネスコのプロジェクトや,土木や地盤関連の学会の研究委員会等に所属し,歴史的構造物の記録活動などにも取り組んでいます.
写真上: 横須賀第一号ドライドック.日本最古の石造ドライドックであり,江戸後期から明治初期に掛けて建設された.
写真下: 愛知県豊田市の旧今井貯木場施設の写真測量による成果.2026年1月に国の重要文化財に指定された.
