土木・建築構造物の役割は,作用外力のほか構造物の自重を安全に支え,基礎地盤に伝えることです.構造物の合理的な設計を行うためには,支点反力や断面力(内部応力)の大きさを求める必要があります.構造力学Ⅰでは,静定構造のトラス,直線ばり,ラーメンおよびアーチについて解法と計算例について勉強します.この科目は材料力学,構造力学Ⅱ,構造解析学とのシリーズをなし,複合材料工学,構造システム学,耐震工学,橋工学などにおいてその内容が応用される.
構造力学Ⅱでは,自重と作用する設計荷重によって部材内部に発生する応力と部材の変形を求める方法を講義しています.具体的には静定はりの反力,変形,応力の求め方,設計への適用について勉強します.この科目は材料力学,構造力学I,構造解析学とのシリーズをなし,複合材料工学,構造システム学,耐震工学,橋工学などにおいてその内容が応用される.
橋やビルなどの鋼構造物は柱,はりおよび板などの部材によって組立てられ,立体構造として荷重を受け挙動している.構造システム学では,鋼橋を対象に構造材料,構造設計と製作のプロセスを概説した後,鋼材の溶接および高力ボルト継手の強度と設計法,各部材(引張材,圧縮材,曲げ材)の耐荷性状とその設計法について講義します.なお,具体的な設計演習は「構造設計」で学びます.
鋼材の応力-ひずみ曲線
材料力学では,土木・建築構造物の解析および設計において不可欠な材料力学の基本事項を講義しています.具体的には力の性質と静力学のつりあい条件式,弾性体の応力,ひずみおよび応力とひずみ関係,構造材料の力学的諸性質,構造部材の断面諸量について勉強します.なお.この科目は構造力学,構造解析学,構造システム学,耐震工学,複合材料工学などの基礎をなす科目です.
建設工学実験では,主に鋼の性質に着目した実験を数名のグループで行います.与えられた試験条件で,誤差を最も小さくするための工夫,データ分析能力,レポート作成能力を習得します.構造力学Ⅰ・Ⅱで習得した知識が必要です.写真は,アルミニウム部材で構成されたワレントラスの載荷実験です.非常に弱々しい骨組み構造に見えますが,10N(約100kgf)の荷重にも耐えることができます.